第14章 山姥切国広、無人島を買う
* 倶利伽羅のお話 *
出会った時は、それは綺麗な刀だと感心した。光忠もそのうちの一振りだな。
だが、プライドは高いし傲慢だし、五虎退以外の刀は全てゴミ同然と思ってるからな。
アイツは、自分が特別だと思ってるんだろう。
何かあれば、審神者の能力を使い、俺らを縛ってくる。
そのせいで、光忠はあの女を心底憎むようになってた。
だが、あの女は自分が美しいことも知ってた。
だからこそ、自分を嫌いになる者はいないと確認してた。
そのせいで、アイツを池田屋に置き去りにしたんだ。
その首謀者は、五虎退だ。
アイツは、自分の兄弟に冷たく当たったり、他の刀剣と仲良く出来ない昔のアンタを憎み始めてた。
そんなことも知らずに、昔のアンタは「あぁ、可哀想に。他の奴らに騙されて」と五虎退の言うことを聞きやしない。
そのせいで、昔のお前はは刀解した。
その後、復活した元アンタは五虎退すら蔑むようになり、元主もお前のことを嫌ってるし、元アンタは、とにかく居場所がなかった。
だから、唯一の大切な人である弟に近づきたくて、お前は要求を飲んだのさ。
だから、五虎退もどうせ、薬研から今のお前の様子を聞いて戻ってきてもらおうと思ったんだ。
あまり多くは言わないが、昔のアンタはとにかくいいところは見た目だけだ。