第14章 山姥切国広、無人島を買う
僕、恵は倶利伽羅の話を聞き終えた。
我ながら、倶利伽羅の意見に賛成だと思う。
僕は、食べることは好きだから、ついつい買いだめしちゃうし、生まれてこの方食べ物に関しては「買わない」という選択肢を選んだことはない。
だって、弟も「僕がいいんなら」で好きなだけ買ってくれる。僕にとって、「とりあえず買う」ことは普通のことなんだ。
なんていえばいいんだろう? 僕は、新しいもの好きだからお菓子とかジュースの新製品があると迷わず買っちゃうんだ。
まぁ、あえて言い訳をさせてもらうなら、僕はほとんど家族が家に居ない寂しい一人暮らしを送ってる。
だからこそ、そうやって大人買いすることで寂しさを紛らわせてるんだ。
僕が、Bloody Maryにハマったのも全部寂しさが原因だったし。
『この機械さえあれば、僕にも毎日お喋りできる友達が出来るんだ』そう思って、藁にも縋る思いで購入したなぁ。
何度か、弟に帰ってこれないかとお願いはしたよ。
でも、今の本丸を維持し続けるためには、高い地位を維持しなきゃいけないらしい。
なんていうか、政府が特別視するほど、うちの家系の権力は強いんだとか。
それは、現実の権力と審神者の力。両方を兼ね備えているからできることなんだって聞いた。
そう考えてみれば、刀剣が審神者の真似事をしても、勝手な都合で新人審神者の練習場にしても、その意見が通されるわけだ。たぶん、政府に金銭的支援をしてるんだろう。
そんな状況なら、何故審神者に拘るかなんて、そこはわかんないけどさ。