第12章 Battle12 毎日がバカンス!!
「短刀たち用の服もない。一部、サイズが合わない刀も居るよね」
「うーん、旅番組なんて見せなきゃ良かった」
皆に、今の審神者が居なくなれば、バカンスだよとは伝えた。
でも、それは、本丸でのんびり休日を過ごすことだった。
それは、粟田口とか沖田組に話しただけだったし、旅番組が流れている時に言ったのも悪かったと思ってる。
そう、勘違いさせてしまったんだ。
自分達も、外に出てあんなバカンスを過ごせるんだろう。
そんな風に思った沖田組が、早く行きたいと思い、本丸に伝えてしまったのだ。
「僕が、少し時間を貰えるように言ってこようか?」
「も、もうちょっと待って……」
皆、沖田組の話を聞いた後に
「姫鶴は変わった、いいヤツになった」
と口々に言った。
それだけ、僕は期待されてるんだ。
期待を裏切るなんて、絶対出来やしない。
そう、失敗は許されないんだ。
僕だって、刀剣の端くれ。
刀剣として仲間に迎え入れてほしいし、友達だってほしい。
でも、失敗したせいで、裏切って微妙な関係になるのが怖い。
「ひ、博士に頼んでみる……」
僕は、意を決して電話をかけた。