第10章 Battle10 始めて出会った常識刀剣、その名も沖田組
体に目立った異常はない。
一体、何がしたいんだか?
「あー、もういいよ。反省する気がないなら、出ていって」
「ち、ち、違うの……」
「悪いけどー、代わりはいくらでも居るから」
新人審神者が思ってたように、ことが運ばなかったらしい。
「とりあえず、事情を全部弟に話すから、帰り道教えて」
「――桜」
「……うん?」
「池の近くにある、桜の木。あれに触れば、行けるぜ」
おぉ、桜の木か。
帰って、ダッツ食べながら状況報告しよっと。
このことを言えば、弟も反省して、態度を少しだけ和らげるだろう。
「そっかー、じゃあ、僕帰るから」
ひらひらと全員に手を振って、庭にある桜の木を目指す。
が、よく考えれば靴がない。
裸足で行くしか……?
「清光ー、靴貸してー」
「返してくれないのに?」
返す言葉がありません。
地面を見ると、小さい石ころがあって、歩くと痛そうだー。
「僕が背負って行くよ。さ、背中に乗って」
「おー、優しい!」
「清光と違ってね」
「そうだねー!」
「姫ー!?」
こうして、僕は無事に本丸を脱出。
木に触る直前に、お礼を言った。
二人は、笑顔で手を振ってくれて……、それが、とっても嬉しかった。
次、来る時には靴持参にしよう、そう心に誓っうのだった。