第10章 Battle10 始めて出会った常識刀剣、その名も沖田組
辺り一面に、青白い光が舞い散った。
凄い、綺麗だな……。
「嫌です。わ、私は、ずっと一期一振さんが好きで……、恋人になりたかったんです……!!」
光の中で、一人の女の子がポロポロと涙を流しながら怯えていた。
「自分で鍛刀すれば?」
自分、審神者でしょー?
全く、何やってるんだか。
「な、何回やっても出なくて……、だ、だから、一ヶ月限定でお世話になることに……」
新人ちゃんは、静かに泣きながら話してくれる。
こういう時、泣けばいいってもんじゃないのにね。
年齢からしてみると、社会人になってそうな顔つきだ。
どんな状況になっても、絶対泣いちゃ駄目、それが社会人の掟だと言うのに、全く、なってない。
美しくないね。
「――わかった。新人研修は、主が政府と約束したことだから、期間が終わるまで、ここに居ることを認めるよ」
「ひ、姫鶴様……っ、ありがとうございますっ……!!」
薬研と乱ちゃんが、絶望しきったような表情で、僕を見つめる。
「ただし、研修は研修だ。君の好きなように行動してもらっても、意味が無い。……わかる?」
僕が、彼女を真っ直ぐ見つめると、彼女はバツの悪そうな顔をする。
何か、心当たりがあるみたいだね?
「は、はい……。」
「なんで、彼らがこんな非常識な行動を取り始めたのか……、責任は君にある。理解してる?」
粟田口兄弟が、人の話も聞かずに暴走するのは、きっとこの審神者が原因だろう。
まぁ、こうなるまで気づかなかった、僕も原因だろうけど。
「わ、私は……、悪くない!! 何も、悪くない!!」