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【刀剣乱舞】刀剣英雄

第9章 Battle9 VRMMOだからこそ、伝わる温度差


「僕が、君たちのことを忘れた理由を知りたいんだけど」
「わ、私からは説明しにくいですね……」

一期さんは、苦笑しながら辺りを見渡してる。
みっちゃんに関しては、「知らなくていいよ」って笑うばかり。
こういう時、一番うるさそうな鶴丸は……、何やら考え事らしい。
彼は、苦虫を潰したような顔をしていた。

「――知らないほうが、俺にとって都合がいいんだ。下手に情報を出して、思い出すような真似はしたくないからな」

鶴丸のその言葉に、僕は疑問を感じる。
そう言われたからこそ、僕は知りたくなった。
どうして、昔の僕を思い出しちゃいけないのかを……。

「ねぇ、どうして思い出しちゃいけないのさ?」
「ひいさま……、怒らず聞いて下さい」

五虎ちゃんが、渋々口を開く。
その顔は、さっきの嬉しそうな顔とは異なり、何処か恐怖を覚えたような、そんな表情だった。

「昔のひいさまは、僕だけに優しかったんです……」
「五虎ちゃんにだけ……?」
「は、はい。僕以外の兄弟には、皆辛く当たってました。一番、光忠さんを毛嫌いしているようで……」
「理由は?」

その時だった。
五虎ちゃんの顔が、とっても泣きそうに歪む。
これは、無理に聞き出しちゃいけない情報なんだろう……。

「い、いいよ。言わなくていいから……」
「もう、バラしてもいいだろう?」
「そういうわけにはいかないよ。僕は、今の彼女がいいんだ」

長谷部が、真っ直ぐ僕を見る。
そういえば、長谷部は僕に対してなんかフレンドリーな面があった気がする。
主うんぬんっていう関係じゃないような、もっと近いような感じだ。
だからこそ、時々敬語が抜けていたりする。
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