第9章 Battle9 VRMMOだからこそ、伝わる温度差
でも、今度は泣かないように必死にこらえてた。
その姿が、なんだかとっても懐かしく感じる。
――前にも、こんなことあったけ?
忘れてた記憶の一部かなぁ?
「きちんと、謝れて偉いね? 今度は、もう我儘言っちゃ駄目だよ?」
「――うん、ごめんなさい……」
しゅん、としたチルちゃん。
でも、きちんと反省したんだし偉い、偉い。
「こんなものかな? 我儘言った時は、状況を理解させてくださいね。頭ごなしに怒ったり、無意味に謝るのはよくないですよ?」
「はい、気をつけます……」
子供慣れしたビーストさんのおかげで助かった。
こうして、僕とチルちゃんは無事に仲直りして、一緒に着替えることに。
そういえば、現実でチルちゃんと会った時の僕の態度も大人気なかったなって思う。
状況は理解してなかったにせよ、もうちょっと上手く立ち回らないとなぁ。
「んじゃ、着替え終わったね?」
「うん」
「僕、靴下探してくるから、それじゃあ!」
「――あ、セレナ」
チルちゃんに、スカートの裾を掴まれた。
これは、リアルの癖だな?
「フレンド登録」
「あぁ、すぐやるね?」
チルちゃんともフレンド登録する。
どうも、チルちゃん相手だと強く出られないなぁ。
昔から、弟か妹みたいな可愛さがあったせいかもね。