第9章 Battle9 VRMMOだからこそ、伝わる温度差
「あの、一緒に……、いい?」
「うん、おいで?」
「――ん、ありがと」
下を俯きながら入ってくるチルちゃんが可愛い。
でもまぁ、見た目は20代全般の大人のお姉さんなんだけどね。
「先、着替えていいよ」
「んじゃ、そうするかな」
僕は、後ろを向いて着替えだす。
待たせないようにちゃっちゃと着替えるつもりだけど、着替えた服は白いローブだった。
レースがついてる可愛らしいタイプ。
そんでもって、靴はブーツだ。
これは……、靴下系選ばないとなぁ。
「チルちゃん、いいよー。次着替えてー」
「うん……、って……、ヒ、ヒーラーに、したの……!?」
チルちゃんは、驚いたように目を見開く。
この感じ、非常に不味い……。
「落ち着いてね、チルちゃん。私の友達に、強制的に選ばされちゃって」
「そ、そんなの知らないっ……!! 聞いてないっ……!!」
「チ、チルちゃん。落ち着こう、ね?」
チルちゃんは、ぐすぐすと泣き始める。
外が、ざわついてきた。
「どうしたのー、大丈夫ー?」
「う、うん。ちょっと手違いがあって……」
あぁっ、どうしよう!?
これ、完全に当分泣き止んでくれないよ!?
こんな時、どうすればいいの!?
こんな小さい知り合いいないし、子供のあやし方なんて知らないよ……。