第9章 Battle9 VRMMOだからこそ、伝わる温度差
「……だ」
「へ?」
「物理しか効かない敵は、どいつだ!?」
「さぁ、わかんない。だって、僕も始めてだし。敵を見たらわかるけど」
倶利伽羅、意外と負けず嫌いだったのねー。
あっさりと敵が倒されたことに、納得いかない様子だー。
「これね、現実の戦と違うところがあるから。現実だと、何でも銃を使えば、それで終わりだったよね?」
「――あぁ、そうだ」
それを言うと、刀剣全員ものすごーく微妙な顔をした。
あれー、やばい。
地雷踏んだ?
「このゲームは、ちょっと違うんだよ。まぁ、遠距離が痛いのは変わらない。でも、遠距離が痛くて、攻撃を受けるなら、回復すればいい」
「そうだな、現実だってヒーラーさえ居れば、俺たち刀も有利になったろうに」
「そういうこと。後、マジシャンの使う魔法って、さっき使ったとおり、凄い攻撃だったでしょ? まるで、現実の銃みたいな圧倒的強さ。――でも、そう上手くいかないんだよ」
「ほー、弱点があるのか?」
「うん。マジシャンは、圧倒的に物理防御に弱い。ヒーラーは、装備によってそこそこ耐えれるけど、あくまで後衛組だから」
倶利伽羅は、何も言わない。
でも、状況を理解した。
そんな顔をしてる。
「でもさ、それだけ強いなら、いくらソードマンでも魔法攻撃で倒されると思うんだけど?」
「銃と違って、避けようと思えば、避けれるよ。それに、発動するまで詠唱する時間があるから、その間に走り抜ければいい。後、装備だって鍛えれば、魔法も痛くないし。抜け道なんて、いくらでもある」
「へぇー、上手く役割があるんだね」
シーフは、対人以外役割ないけどね!!