第9章 Battle9 VRMMOだからこそ、伝わる温度差
「――主、どうも信用できません。最初から、何か引っかかるものがあるのです……」
「うーん、私もそう思う。――あぁ、そうだ、長谷部。リアルバレが怖いから、ゲーム名で呼んでくれる?」
「主命とあらば」
こうして、僕らは装備を受け取る試験に移行した。
内容は、簡単だ。
巨大な敵を倒せ、というものだ。
パーティーを組んで、案内された先は、なんともまぁ巨大なスライム。
――やばいなぁ、炎が一番効果抜群なんだけど、、炎魔法は使っちゃいけない。
一部、トラウマのある刀剣も居るからね。
「おぉ、あれか!!」
「あいつは、強い。気をつけろよ」
「あぁ、任せとけ!!」
ソードマンである倶利伽羅が特攻する。
その後、鶴丸や長谷部も攻撃をする。
僕の仕事は、みっちゃんが特攻しないように捕まえておくことだ。
「セレナちゃん、離してくれないと、戦えないよ!?」
「たぶん、いや、確実にそういう職じゃないから」
「えぇー!?」
気がつけば、鶴丸の魔法攻撃が炸裂し、一撃で巨大スライムは倒れてしまう。
「えぇ、あんなに弱かったのか!?」
「くっ、どういうことだ!?」
「あれは、スライム。物理攻撃吸収の特性があるモンスターで、弱点は魔法攻撃」
「ほー、敵によって特技もあるのか。面白いな!」
長谷部と倶利伽羅は、なんか納得出来ない様子だった。
でもまぁ、仕方ないね。
物理職なら、誰でも通る道だよ。