第9章 Battle9 VRMMOだからこそ、伝わる温度差
「姉さん、僕らはただ話が合うだけの友人だよ。会話友達だよ。戦友じゃない……」
「――ごめん、都合がいいように扱って。あの時、悪いとは思ってたの」
「本当は、わかってるんじゃない? だって、姉さんはエルの側近だったもんね」
そうなんだよ。
姉さんとエルが仲良くなってから、僕とエルの仲は崩れてった。
――エルとオフ会した、一番最初の人間。
それが、姉さんだ。
ずっと、ずっと、ずっと……、仲良くしてくるくせに、パーティーに入れてくれないことに、疑問を感じでた。
「ごめんなさい、セレナ。気づいた時には遅かったから……。
わ、私、貴方に頼らないで、もう一度チルちゃんとやり直してみる……」
「うん、そうしたら?」
なんで、チルちゃんなのかはわからない。
でも、チルちゃんはいい子だから、決して悪いようにはしないはず。
僕は、手を振って姉さんを見送った。
正直、姉さんって今でも誰側なのか、それがわからなくなった。
だってさ、正直、今の姉さんを見てると、すぐエル側に行っちゃいそうで、信用出来ない。