第9章 Battle9 VRMMOだからこそ、伝わる温度差
「ツレが来るまでの付き合いだ。それ以上、慣れ合うつもりはない……」
「う、うん……。わ、わかってる……」
姉さんは、ちらちらと僕の方を見る。
どうやら、僕に倶利伽羅を説得しろと言いたいらしい。
って、姉さん。
僕の装備が対人特化だからって、頼んでもパーティーに入れてくれなかったの誰?
まぁ、それでも友達だから無下にはしないけどさぁ。
「チルちゃんとは連絡とったの?」
「い、いやまだ……」
「昔の名前で遊んでたよ?」
「そ、そうなんだー」
「まず先に、チルちゃんと連絡取ってみれば?」
「う、うん。そ、そうしたほうが、いいかな?」
姉さんは、なんか一緒に来たそうにその場を離れない。
でも、僕は姉さんが来ることにはなんか納得できないんだよね。
だって、お互いに利点のあるパーティーじゃないと組まないと断言してた姉さんなのに、そっちだけ利点があるなら組みたいだなんて、あんまりじゃない?
チルちゃんなら、まだしもさぁ。
「姉さんは、そっちでギルド作るんでしょ? 僕らのほうに付いてくるのはいいけどさ、正直、そうやって連絡を疎かにしてると、作る前にメンバー解体コースになるよ?」
うっ、と姉さんは怯む。
あくまで、姉さんが納得する方法で去ってもらおう。
「もう、僕は友達であって仲間じゃないんだ。昔みたいに、仲間の絆を保つために、って僕に押し付けてばかりじゃ駄目だよ。独り立ちしないと」
「――それ、なんだけどさ……」
姉さんが申し訳無さそうに、口を開いた。