第9章 Battle9 VRMMOだからこそ、伝わる温度差
これは、いわゆる仕事をしてないニート病みたいなものでして。
駄目人間になったなぁ、と馬車に乗りながら頭を抱える。
「セレナちゃん、どうしたの?」
「ううん、なんでもございません」
こうして、馬車は動き出す。
「おおー、いい眺めだなー!!」
「鶴丸くん、危ないから駄目だよ?」
鶴丸は、それでも楽しそうに窓の外を眺める。
外は、日本じゃ見られないような光景が広がってる。
見たことのないモンスター。
見たことのない木々。
全部が全部、始めてだから新鮮なんだろう。
「綺麗な世界だね」
「うん、そうだね」
「どんな冒険が待ってるか、ワクワクするぜ……。驚くべき冒険よ、この鶴丸様が全部解決してやる!!」
鶴丸は、気合を入れるように拳を高く突き上げる。
「――そうだね。なんとなくクリエイターになったけど、どんな職なのかわからないし、早く知りたいな」
「あのテレビで見た、でっかい爬虫類? まずは、アイツを倒そう!」
「あー、ドラゴン?」
「あぁ、かっこよかったよね! 一度、僕も見てみたいなぁ」