第9章 Battle9 VRMMOだからこそ、伝わる温度差
「すみませーん、こちらヒーラーです。どなたかフレンド登録していただけませんかー?」
「フレンド登録募集中でーす、私ヒーラー志望でーす」
「あ、あの……、ヒーラーです。フレンド登録希望してまして……!!」
始まった、ヒーラーのフレンド争奪戦。
リアルの友達がいなきゃ、あの戦争に参加してたなんて……。
みっちゃんたちが居てよかった。
って、そもそも、みっちゃんたちが居たから、ヒーラーやったんだった。
「募集してる人達でフレンド登録すればいいのにね?」
「それが、その後狩りに誘う予定含めて募集してるんだよ」
「驚いたな。ヒーラーって、一人じゃ戦えないのか?」
「うん、後衛の支援と補佐しかできないから、誰かと一緒なら強いけど、一人じゃ弱いよ」
姉さんを見送った後、やっとわかった。
チルちゃんと姉さん以外、この時間で遊んでる人は居なさそうで……。
それなら、事前に姉さんとチルちゃんで予定立てとけばいいのに。
なんていうか、ヒーラー好きな人って、時々友達に合わせないタイプ居るよね。
自分、ヒーラーじゃないと駄目です、みたいな。
まぁ、チルちゃんがヒーラーって決まったわけじゃないけどさ。