第9章 Battle9 VRMMOだからこそ、伝わる温度差
「お前らー、さっさと行くぞー?」
「あ、待ってよ。鶴丸くん!!」
僕は、みっちゃんと共に、鶴丸の後を追って走る。
そうして、辿り着いたのは一番最初の試験会場。
話を聞いて、装備を貰えるらしい。
さっき、様々な装備をつけてた人は、ここで試験を人なんだ。
たぶん、試験内容は初心者専用の簡易的な冒険知識。
そこは、Bloody Maryと同じだから、聞かなくてもいいんだけどな、と僕は欠伸を噛み殺しながら聞く。
すると、とんとんと肩を叩かれた。
「やっほ」
そのエルフには、見覚えがある。
Bloody Maryの姐さんだ。
相変わらずな姿で、僕に手を振る。
「おぉ、姉さん」
「エルフにしたんだ?」
「うん、仲間に押し切られて、ヒーラーになったんだ」
「そうなんだ。仲間が増えて嬉しい。フレンド登録していい?」
「もっちろん!!」
ピッピと手慣れた感じで、フレンド交換をする。
その間に、皆が移動し始めた。
「恵ちゃん……、その子は?」
「ほら、現実で会った……」
「姉さんでーす」
とびっきり人懐っこい笑顔で、姉さんは手を振る。
すると、二人は「あぁ」と納得した。