第9章 Battle9 VRMMOだからこそ、伝わる温度差
「恵ちゃん……、どうしたの?」
「う、うぅん。なんでもない」
とりあえず、深く考えないでおこう。
なんだか、もっと不安になる気がする。
戦うことは、趣味なんだから、楽しもう。
戦ってる時が、一番本当の自分でいられるから。
「とりあえず、時間が遅れちゃったし、急ごう」
「って言ってもさ、体結構キツイんだけど」
「合流したら休ませるからさ、頑張ってね?」
誰のせいだと思ってんのさ、誰の……。
僕は、ため息を付きながら歩き続ける。
でも、不思議だ。
他の男に触られた時は吐気がするほど嫌だった。
エルが近くに居ても、正直鬱陶しいと感じた。
なのに、みっちゃんと鶴丸は何も感じなかった。
エッチしてる時も、普通に馴染んでたし。
ま、イケメンオーラにやられたんだろう。
僕は、そのことを軽く流した。
「あーあ、前線で戦いたかったなぁ」
「本当に、恵ちゃんって剣が好きだね?」
「うん、大好きだよ! なんか、生きてるって感じがする」
「――そう、それはよかったよ」
みっちゃんの笑顔に、何か引っかかりを感じる。