第9章 Battle9 VRMMOだからこそ、伝わる温度差
「後何年くらい、皆で暮らせるんだろう?」
「野暮なこと聞くな。ずっと一緒にいられるさ」
「そうかなぁ……?」
「――あぁ、お前が記憶を取り戻せば、ずっと側に居られるぜ……?」
「記憶……?」
何か、忘れたことがあったけ?
不思議に思いながら、僕は首を傾げる。
年をとったのか、忘れっぽくなったのかな?
「――そのうち、思い出せばいいよ。そうだ、さっき濡れずに外に出られる入り口を見つけたんだ」
「へぇー、そうなんだ」
服は、もう乾ききっていた。
一旦洗ったらしく、洗濯したように綺麗になっている服に袖を通す。
みっちゃん達に案内され、僕は外に出た。
すると、そこにはさまざまな武器を持った人達が並んでいる。
――あぁ、僕も今から戦うんだ。
そう、思うと体がゾクゾクしてくる。
肉を断ち切る感触を思い出して、心が震えるようにゾクゾクしてくる。
その時、ふと我に返った。
どうして、僕は人を殺したこともないのに、殺した感触を覚えてるの?
忘れてた記憶って……?
急に、自分自身が怖くなった。