第8章 Battle8 白い子と熱を分け合う
吐き出そうとすれば、顎を掴まれる。
物凄く、嫌な予感がする。
「ほら、飲みな?」
無理無理、こんなの飲めません。
僕、実はすんごいグルメなの!!
必死に首を左右に振り、『NO!!』と訴える。
「いい子だ、ほら、飲めよ?」
――無理だ、こんなの。
こんな、不味いの飲めるわけがない。
味わいたくなくて、味わってるわけじゃない。
必死に首を横にするけど、吐き出させてはくれない。
鶴丸が、高揚した顔で、僕を見つめてくる。
まるで、僕が嫌がるのを楽しむかのように……。
――仕方ない、こうなりゃ自棄だ。
涙が出るくらい不味いのを我慢しながら、一気に飲む。
あまりの不味さに、涙はぽろぽろと頬を伝っていく。
飲んだ後も、あの不味さは口の中に残っていて……。
――とうぶん、カルピス飲めないかも。
そんなことを考えながら、よたよたと滝のほうに移動しようとした。
「おぉっと、逃しはしないぜ?」
「へっ!?」
滝の水で、うがいをしたかったのに。
立とうとしたところで、鶴丸に腰を掴まれた。
――この態勢、非常に不味い。
僕は、四つん這いになってる状況で……。
「お客様ー、これ以上のサービスは対象外ですのでー」
「出世払いでよろしく頼むぜ!」
「ちょ、ちょおっ!!」