第6章 東京遠征〜2〜 トラウマ
_回想_
俺とべには小さい頃から家が隣同士だった。
と言ってもべにはアパート、俺は一軒家。
べにはお父さんと二人暮らしだった。
ある日、聞いてみたことがあった。
縁「なんで朱莉ちゃんにはお母さんがいないの?」
そしたら、空を見ながら
「私が生まれたから死んじゃった。」
そう、言った。
その頃はどういう事か理解できていなかったし、そうなんだくらいにしか思ってなかった。
べにはいつも笑ってたし、お父さんと二人だけでも幸せそうにしていた。
整体師をしているお父さんのお客さんにも可愛がられていた。
一部を除いては、、、
べにの赤毛はお母さん譲りで、べにも唯一お母さんとの繋がりだからって大切にしていた。
けど、、、べにのお父さんがいないところで
モ「赤毛とか気持ち悪いのよねぇ。変な色」
モ「うちの子には近づかないでちょうだい。」
悪口を言われ続けた。
そして、べにが小学1年の頃、べにのお父さんの店の経営が悪化し始めた。
借金まではしなかったものの、お父さんは荒れた。
この頃からべにの腕にアザができていることが増えた。
そして、べにが小学2年の頃、トラウマの原因となる“事件”が起こった。