第5章 東京遠征〜1〜 初対面
窓側に頭を傾けてウトウトと揺れる朱莉。
それじゃ頭痛くなるだろ、、、
朱莉の体をそっと俺の方に傾け、頭を肩にのせる。
「ん、、、」
澤「!?」
お、起きた、、、?と思ったらスースーと聞こえてくる寝息。
そういえば、、、今朱莉の身体に触れた時、すっげぇ柔らかくて、、、力入れたら壊れちまいそうな、、、
って何考えてんだ俺!!
着いたらすぐに動くことになるだろうから、今のうちに寝ておかなければならないのに
肩に置いた朱莉のシャンプーのいい匂いやさらさらの髪がくすぐったくてそれどころではない。
自分でも鼓動が速くなっているのがわかる。
いつの間にこんなにも惹かれていたのだろうか。
小さな行動や仕草の一つひとつや、ちょっとした表情の変化が俺を一喜一憂させる。
合宿先で朱莉のことを気に入られないのは嫌だが、
朱莉が気に入る奴が現れてしまったらと思うと、とても焦る。
気に入られてほしいが気に入ってほしくない。
そんな、矛盾した想い。
あぁ、こんなことなら早く
澤「俺のになんないかなぁ」
ポツリと呟いた願望は寝ている部員たちの耳に届くことなく消えていった。
そして気づけば眠りについていた。