• テキストサイズ

澤村くんとトラウマ少女【HQ!!】

第25章 距離











「菅原さん!!」


がちゃり、部室の扉を開くと慌てたように駆け寄ってくる日向と田中。


「大地さんとべにさん別れたって本当ですか!?」


ピクリと俺の肩が揺れる。


「それ、誰から……?」

「クラスの友達が噂してて……でも、そんなの嘘ですよね?」

「べにさんたちに聞いても何も答えてくれないし…」


語尾になるにつれて小さくなる声量。心配で心配で仕方無かったのだろう。


「大丈夫、別れてないよ。ただ、今は少しお互いの気持ちを整理しようとしてるんだ。だから今まで通り接してやってくれないか?」


できるだけ分かり易く話すと、それ以上は聞くまいと思ったのか2人顔を見合わせ大きく頷いて体育館へと向かった。

あの2人から噂はデマだと言うことが広まるだろう。


それが何処まで効力を持つか分からないけど、いい方向へ転んでくれることを願うしかない。

「今の俺の状況は傍から見たら好機なんだろうな……」

今がチャンスと思えるほど狡ければいいんだろうけど、お生憎、俺はそんな質じゃないからなぁ。

「さ、部活行くべ!」

今はふたりを支えてやらなくちゃ!





/ 436ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp