第24章 すれ違い
はらり、はらりと零れ落ちる言葉。
相手を想うが故に隠してしまう本音。
いとおしい。
まもりたい。
あの震える身体を抱き締める事が出来たらどれだけいいだろうか。
彼女が求めるのが俺であったなら
何度も思った“もしも”を頭を振って消し去った。
「朱莉。それでも、言わなきゃダメだ。言わなきゃ何も伝わらないよ。」
フルフルと小さく振るわれた首。
あぁくそ、頑固者め。
「なら俺が連れてく。」
引き摺ってでも、と思ったけど流石にマズイと思い他の連れて行き方を考える。
おんぶ…は乗ってくれないだろうし、抱っこは論外だよな…てことは1つしかないか…
俺よりずっと華奢な身体を引き寄せて、所謂お姫様抱っこってやつをした。
「や、だ!スガ!降ろしてッ!やめて!」
「うるさい。黙ってて。」
言い方きつかったかもしれないけど、こうでもしないと暴れられたら落っことしちゃうし。