第24章 すれ違い
落ち着きを取り戻し始めた彼女と同じ目線になるようにしゃがんで、そっと腕に触れた。
「もう戻るべ。ちゃんと話せば大地だってわかってくれるよ。な?」
指先は夏だというのに少し冷たい。
なんだろう、嫌な予感がする。
「すが…」
ドキリ、心臓が跳ねた。
「なんだ?」
ドクン、ドクン…運動したみたいに速くなって
「あたし、だいちと距離……置こうと思う、」
「えっ……」
世界からすべての音がなくなったみたいに聞こえなくなった。
「なん、で?」
「あたし、今のまま傍にいたらダメな気がする…困らせて、我慢させるだけな気がする。」
「大地はそれも含めて朱莉のことが好きなんだ。そんなこと気にする必要ねーべ。」
「それじゃ…だめなの。それじゃぁ、」
取り敢えず、これじゃあ埒が明かない。
2人できちんと話し合わなければ。
「とりあえず大地んとこ戻ろう?んで話しよう?」
「今会ったらまたひどい事言っちゃう……傷付けたくない……」