第24章 すれ違い
「もしさ」
「うん。」
「もし、あたしが道宮さんみたいな子だったら、なにか違ったのかな…?」
情けなく下がった眉。
今にも泣いてしまいそうな微笑み。
俺の、知らない彼女。
「普通の子だったら…」
自分の腕を抱きしめるみたいにぎゅっと握って
「だいちの傍にいても良かったのかな…」
ひたすらに、自分が壊れてしまわないように
「今のあたしじゃ、だめなのかな…?」
必死に守っていた。
「くるしい…」
消えてまいそうなその一言にすべての想いが込められていた。
そんなに辛いなら、もうやめればいいのに。
俺なら朱莉以外に優しくしない。
笑いかけたりもしない。
周りにだって、ゴチャゴチャ言わせたりしないのにさ。
「お前は俺じゃダメなんだよな…」
お前の中にいるのはいつでも大地だ。
「ごめん、スガ…ごめん…」
「謝んなよ、ばーか。らしくないぞ。」
「う、ん…ごめん…」
「早速言うのかよっ…」