第24章 すれ違い
「もー、探したんだかんな?」
「…んで…」
静かに歩み寄れば小さな声が空気を揺さぶる。
「なん、で来たの…?」
「そんなの、お前が心配だからに決まってんべ」
近くまで寄って目線を合わせると、悲しそうに歪む顔。
「ありがと…」
「どういたしまして。それにしても予想外れたな。泣いてるかと思ったのに。」
「泣くのってなんかズルくない?」
「ズルい?」
「泣かせた方が悪いって思われるじゃん」
それってつまりは…
「大地は悪くないって言いたいの?」
「…悪くないよ。」
なぜ?どうして?そんな問いかけばかりが頭を巡る。
「道宮さんに嫉妬したのが悪いんだよ。」
なんで?羨ましいって思うのは悪いコト?
「道宮さんに敵うわけ無いって初めから分かってるのに」
敵わないって分かったら諦めなきゃいけないの?
「ねぇ、スガ。」
「…なに?」
少し声が擦れてしまった。
「今から“もしも”の話するけど、怒らないでね?」
「内容によるかな。」
「じゃあ多分怒られるかも。」
あははっと笑って話始めた。