第24章 すれ違い
ー菅原ー
澤「ほんとお前頑固だな。」
「頑固じゃない…」
朱莉が頑なに言うことを拒んでる。
原因は予想がつく。きっと道宮さんのことなんだろう。
嫉妬してるとこなんて見せたくないもんな。すげー良くわかるよ。
澤「いい加減にしないと怒るぞ?」
「…何でもないもん…」
そっとしといてあげろ、そう声をかけようと立ち上がった時だった。
澤「ほんとお前素直じゃないな。」
菅「ッ!大地それはッ…」
机に突っ伏していた朱莉がゆっくりと立ち上がった。
「…なら、素直で可愛い道宮さんと付き合えばいいじゃない…」
澤「え?」
声が小さすぎて聞こえなかったのか、大地が聞き返した。
「“こんなの”じゃなくて、道宮さんとつきあったら?」
震える声でそう言った朱莉は、泣きそうなのを堪えるように笑って教室を出て行ってしまった。
モ「ハッ、紅林いーざま」
モ「公衆の面前で振られてやんのー」
モ「紅林さん…大丈夫かな…?」
ざまーみろと罵倒する声、大丈夫かと心配する声がする中、大地は何が起こったか理解できていないのかその場で固まっていた。
そんな大地に怒りが込み上げてくる。
菅「大地。」
自分でも驚くくらい低い声が出た。
イライラして仕方がない。