第23章 喧嘩するほど?
ー道宮ー
道「二人もよくやるね、また喧嘩?」
澤「あーまぁな…」
気まずそうに頬をポリポリと掻く澤村。
いつもならテンパっちゃうのに今は何故か落ち着いて話せてる気がする。
道「大変だね…」
澤「まあな」
私いつから澤村のこと好きになったんだっけ?
はっきりとは覚えてない、いつの間にか好きになってた。
…澤村は私のことなんてちっとも見てないけど。
澤村の視線を、気持ちを、全てを独り占めできている紅林さんが羨ましい。
なのに、なのにどうして澤村を困らせるの?
私なら…
道「私なら…澤村のこと困らせたりしないのにな…」
澤「えっ?」
道「ッ!!!???いいいや、私そのっ」
澤「だよなー、道宮ならしっかりしててこういうの無さそうだもんな」
___カタンッ
下から、小さな音がした気がした。
澤「ん?あ、朱莉探さないと!じゃあまたな、道宮。」
道「あ、うん!またな、澤村!」
二人の仲を裂くつもりなんてない。
ただ、想うだけならいいよね。
道「いいなぁー、紅林さん。」