第23章 喧嘩するほど?
ー澤村ー
学校中どこを探しても朱莉の姿は無くて、仕方無く教室へ戻った。
教室の一番端の席に、朱莉、ではなく変わりにスガが座っていた。
「スガ。朱莉戻って来てないか?」
「朱莉早退するって。さっき帰ったよ。」
「はぁ!?何も聞いてないぞ!?」
「コレ、大地にごめんて伝えてって。」
そう言って差し出されたのは俺がよく飲んでいたジュース。
「なんともければいいんだけどな」
「だなー…」
明日ちゃんと話そう。
そしてまたいつも通り笑って
なんて、曇り始めた空を眺めながら呑気に考えていた。
この時からだろうか
二人の想いが少しずつズレ始めてしまったのは
小さな綻びは
人知れず大きくなっていく______