第23章 喧嘩するほど?
ちょうど入れ違いで戻ってきた大地。
「なぁスガ!朱莉どこいった?」
喧嘩はしててもやっぱり気になるんだよな。
「大地が戻ってくる直前にどっか行っちゃったんだよ」
「…探してくる。」
いろいろな想いをぐっと堪えて走るように教室をあとにした。
喧嘩のたびに見せつけてくれちゃってさ、
毎回失恋してる気分だよ。
不器用なりに自分を見てもらおうとする朱莉が可愛くて仕方がない。
今までツライ想いをした分、たくさん幸せになってほしい。
「早く二人で笑って戻ってこーい。」
教室全体を見渡せる朱莉の席に座り、ムカつくほど快晴な空を眺めて
イヤホンを耳につけてお気に入りの音楽を流し時間を潰した。
〜〜♪〜〜♪〜、、、ブツッ
もうそろそろ終わりそうだったのに…
そんな思いで後ろを振り向くと腕でジュースを抱えた朱莉が立っていた。
「…先に食べててよかったのに。」
「二人と食べたかったんだよ。大地は?」
「…会ってない。あとあたし早退する。だいちにごめんって伝えておいて。」
買ってきたジュースを2本とも置いて荷物を持ち、理由も言わずそそくさと帰ってしまった。
「朱莉…?」
何か、様子がおかしい…