第23章 喧嘩するほど?
二人は今日も喧嘩をしていた。
確か、朱莉と付き合ってからヤキモチ妬きになってしまった我らが主将、澤村大地から始まったのだ。
事の始まりは、季節の変わり目によって肌寒くなってきた朝練で、朱莉が縁下のジャージを借りたこと。
“主将”という立場を気にしてか、矛先は縁下ではなく、朱莉に向いた。
澤「寒かったなら俺に言えばいいじゃないか。」
「ちょうど傍にちかが居たから、、、」
朱莉からしてみれば縁下は家族のようなもの。
その家族に対してヤキモチを妬かれても…という思いがあるのだろう。いつもより言い返す言葉に勢いがない。
~~♪
鳴り響く朝の予鈴に何とか助けられ、その場は一時的に収まった。
結局どちらが悪いとも言えないので俺は今回ばかりは口を出せずにいた。
でも、昼休みまでズルズルと来てしまった。
相変わらず朱莉は教室の一番端の席で窓の外を眺めて。
大地も朱莉もどっちも大事なんだけどなぁ、、、
仕方ない。仲裁に入ってやるか。
とりあえず大地が先生に呼ばれているうちに朱莉に声をかけてしまおう席を立った。
けど朱莉は無言で席を立ち、教室から出て行ってしまった。
一歩遅かった…