第23章 喧嘩するほど?
ー朱莉ー
東「朱莉いいの?」
「なにが。」
東「仲直りしなくて」
「あたし悪くないもん…」
東「だからってこれは怒られるから…」
“これ”とはまさにあたしが旭の席を占領し机に顔をくっつけて不貞腐れている様子である。
意外と嫉妬深いだいちは多分怒る。
「知らないもん…」
廊下を見ながら呟くと何やら急いでいる様子の我が彼氏サマがいらっしゃった。
澤「朱莉!!」
東「あわわだだだ大地!!お、俺は止めたんだよ!?」
澤「旭一回黙れ。」
東「ハイィっ!!」
どうせ怒られるんだと顔を窓側へ向けた。
澤「朱莉。」
「なに。」
澤「何してんだ?」
「寝てる」
澤「そこ誰の席。」
「東峰旭。」
澤「なんで旭の席。」
「意味はない。」
しばしの沈黙の後、腕を掴まれた。
澤「教室戻るぞ。」
「一人で戻れる。」
澤「いいから!」
このままじゃ迷惑かけるなと思い、大人しく席を立った。
「旭ごめんねー」
東「いやっ、うん。」
旭の教室を出たあとは二人とも無言だった。