第22章 俺の
トイレから出て入口を見てみるとだいちの周りに群がるケバい女。
「はぁー、だからヤな予感したんだよなぁ。」
見てみればベタベタと触って、挙句胸まで押し付けているではないか。
べにちゃんもう怒ったもんね。
「あの俺彼女いる」
「お取り込み中悪いんだけどさ」
喧嘩のとき用の声出したのいつぶりだろう。怒る時のとはまたちょっと違うんだよね。
「その人、あたしのだから返してくんない?」
女の動きが止まってしまうほどの威圧感を含んだ声。
「な、何よあんたいきなり出てきて!」
「聞こえなかった?この人“あたしの”だって。」
「笑わせないでよ!あなた達全然釣り合ってないじゃない!!」
「そのくらい知ってる。行こ、だいち。」
さっきはあんなに躊躇ったのに今はあたしから手を引いてその場を離れようとした。
「ちょっと!」
それでも引き止めようとする女の一人の胸ぐらを掴んで言い放つ。
「ただヤリてぇだけならそこら辺の男でも適当に引っ掛けてこいよ。あたしの彼氏に手ェ出すな。このクソビッチ。」