第22章 俺の
「もうそろそろ着きますよー!」
武田先生の声に目を覚ますと、もうバスの外は明るくなっていて、朱莉は既に起きていた。
「ん、おはよ、大地」
あ、うん俺幸せ。
「おはよう、朱莉」
朝起きて目の前に好きな子がいるなんて、どんなに幸せなことか。
しかも手は繋がれたまま。
繋いでいたかった、なんて言う彼女からの貴重なデレもゲットした。
目的地に着くと手はそっと離されたけど、まだ朱莉の体温が残ってる。
「よし!お前ら行くぞ!」
「アーッス!」
体育館の中へ入ると早速月島は木兎にブロックに付き合えと絡まれていた。
「木兎、他校の1年に引かれるの巻」
俺らも付き合わないだろうと内心思っていたら月島自ら「お願いします」と頭を下げた。
「朱莉が言ってたのはこれか」
「ん?あー、まぁね」
小さく笑う朱莉に俺も笑みが零れた。