第21章 取扱説明書?
HR(ホームルーム)が始まっても一向に起きる様子のない朱莉。
先生の話なんて耳に届いてすらいないんじゃないか?
いや話を聞いていないのなんて日常茶飯事なんだけども、それにしても様子がおかしい。
1時限目が始まるまでの束の間の休み時間に訊いてみることにした。
「どうした朱莉。具合でも悪いのか?」
「んー、、、」
悪いとも悪くないとも取れる返事。
一体どうすべきか、、、
「保健室行くか?」
「、、、いく。」
良かった。やっとまともに話をできるようになった。
「じゃあ、、、」
そう言って立って貰おうと背中に手を添えれば空気を読まないモノが、、、
キーンコーンカーンコーン♪
「チャイム、、、」
そのうち先生も来てしまうだろう。
「いーよ、、、ひとりでいける。」
事情はよく分からないけれど、こんなにもツラそうなのに1人で行かせる事なんて出来ない。
こんな時ですら頼ってもらえないのか俺は。
俺はお前の“彼氏”なのに