第20章 コイビト
ガラッ
保健室の扉が勢い良く開き、だいちが息を切らして入って来た。
「だいち、、、。」
菅「じゃあ俺は先に行ってるな。」
「、、うん。」
保健の先生もさっき呼ばれて行ってしまったから保健室にはあたしとだいちの二人きり。
教室での事もあり、気まずさは極限状態。
澤「あの、さ、朱莉。」
ベットの近くに置かれていたイスに座ってからだいちが戸惑ったように話しかけてきた。
「なに?」
極力いつもの様に。何事も無かったかのように。
澤「教室でのアレ、、、何があったんだ?」
__だいちに迷惑をかけないように、、、
「あの子がありもしない悪口言って煩かったから文句言っただけ。」
間違ってない。ホントの事。
“何に対して”なのかを言ってないだけ。
澤「朱莉は、、、そんなことしないだろ。」
「するよ。」
だいちの為ならいくらでも。
あたしなんかどうなってもいいって思えるくらい。
澤「それがほんとだったとしても、俺はお前を嫌いになったりしないからな?」
ねぇだいち。
ほんとにそう思ってる?
ただそう言い聞かせてるだけじゃない?
疑ってしまう自分がキライだ。