第20章 コイビト
ー菅原ー
澤「悪いっ、俺また進路指導で呼ばれてるから、、、」
そう言って大地は教室から出て行った。
それを確認した途端降り注ぐ悪口の雨。
今日も土砂降りだ。
モ「ホント最悪。鏡で自分の顔見てこいっての。」
モ「道宮さんのほうがお似合いだっつーの。」
俺からしたらお前らのその化粧にまみれた顔より、なんの飾り気もないけど綺麗な肌色の顔をした朱莉のほうが何倍もかわいい。
お前らこそ鏡で化粧落とした顔を見て来い。
「スーガ。気にすんなって。言わせときなよ。」
いつもいつもお前はそうやって言うけど、
俺にも我慢の限界ってもんがあるわけで、、、
モ「菅原くんも、あんな子に付き合わされてカワイソウ。」
カワイソウって、なに?
菅「俺の幸せを、勝手に決めないでくれるか?」
モ「ご、ごめんなさい、、、」
俺がいつ不幸だと言った。
いつ解放されたいと言った。
いつ朱莉と離れたいと言った。
菅「俺がこいつと居たいんだけど?」
勝手に自分のものさしで他人(ヒト)の幸せを測るなよ。