第19章 二人の始まり
「こっち向いてくれないか」
「どうしてここに居るの」
だいちの言葉を無視して問いかける。
「、、、縁下に言われて、ちゃんと話をしなきゃいけないと思ったんだ。」
やっぱりちかの仕業だったか。お節介焼きめ。
「いつからあそこに居たの?」
腕の力を抜くと、だいちの手の力も抜けた。
「最初から。」
「やっぱりか、、、」
本人の前であたしは暴露しちゃってたってことね。
「ならもう分かってるよね。何で付き合えないか。話すことなんてもう無いでしょ。」
振り向いて、笑って
1歩だいちから離れた
けど、離れたはずの距離は一瞬でゼロになって
目の前に広がるのはだいちの着てたシャツの色
痛いくらいの締めつけと
鼻をくすぐるだいちの匂い
何度も触れてきた彼の体温。
「っ、、、好きだッ、、、」
昨日と同じ言葉を紡ぐ声
さっきまで動いていたはずの思考は停止して
心臓がドクリと激しく音を立てる
「お前の過去とか周りの目とかそんなの関係無い。
俺と付き合って欲しい。」
心臓が、壊れる