第19章 二人の始まり
被ったシーツから顔を出し、体育座りした。
「どっちの、はなし?」
誰が、って言わなかったからさ
「大地のこと。本当は好きなんだろ?」
「こうゆー時のスガ、ほんと直球だよね」
「話逸らすな。」
低く言われた言葉に小さく笑って「そうだよ」と答えた。
「へ?」
「自分で聞いたくせに何ビックリしてるの?」
「いや、、、素直に認めると思ってなかったから、、、」
確かにそうだ。認めるつもりなんて無かった。
笑って誤魔化して、
それで終わりにするはずだった。
けど、
「誤魔化せないくらい、好きになっちゃったんだよ」
スガに笑いかけてそう言えば、不機嫌そうに眉を顰めた。
「なら、何で「お前は周りの人間を不幸にする」
「え?」
「お父さんに言われた言葉。あたしは周りにいる人を不幸にしちゃうんだって。」
暴力を受けるようになってから刷り込むように、言い聞かせる様にずっと言われ続けてきた。
「だからお母さんは死んじゃって、お父さんの接骨院の経営も悪くなって、、、
全部あたしのせいなんだって」