第19章 二人の始まり
ー朱莉ー
額にヒンヤリ冷たいものを感じて重たい瞼を持ち上げると、そこは保健室だった。
「お、起きた?」
チラッと視線を動かすと優しい笑顔を浮かべたスガがいた。
「スガ、ごめん、、、」
「起きて開口一番がそれかよ」
苦笑いしてベッドの横にあった椅子に座ると「大地となんかあった?」と訊ねてきた。
「やっぱりバレてたよね、、、」
「バッチリとね。単細胞バカ組も気づいてた」
「まじかー。それはマズイな」
冗談を言って一息つけばまた目の奥がツンとして、息が苦しくなってきた。
バサッ
体にかけられていた薄い毛布を頭から被って、顔を見られないように
「すが、はなし、きいてもらえる?」
震える声を絞り出して、昨日の話をした
あ、及川のこともちゃんとね?
及川の告白から逃げてきたこと、
だいちからの告白のこと、
それを、断ったこと。
全部話した。
全部を聞いた後スガは、
「どうして断ったの?」
そう訊ねた。