第19章 二人の始まり
ご飯を食べて、ちかの身支度が整うのを待ってから家を出た。
重い足取り。まるで鉛でも着けてるみたいだ。
「お前遅い。俺走るわ」
「は、ちょ待て!」
離れていくちかの背中を追うようにカバンを押さえながらあたしも走った。
「っはぁ、ほんっとお前、いい意味で期待裏切るよな、、そこら辺の男より体力あんだろ」
「っせーな、、部活前なんだからペース考えろよ馬鹿」
いつもより少し早く着いた体育館。息を切らした2人が階段に座り込む。
「、、、なんかあったら頼れよ。」
くしゃりと頭を撫で、部室へと向かったちか。
___そういう事されるから、ちかだけは手放す決心が付かないんだ。
「なんて、言い訳か」
自嘲気味に笑い、立ち上がって
翔陽達だろうか、もう既にボールの弾む音の聞こえる体育館の扉を開けた。
「はよーございまー、、す」
「あー!べにさん!おはざーっす!」
「おはざっす」
居たのは変人コンビの2人だけじゃなくて
「よぉ、、、」
一番心配していた人、だいちだった。
いつもはまだここに来ていないはずの時間なのに、どうしているの?
僅かな動揺を感じ取ったのか、すぐに背を向けて「練習したい気分なんだ」そう言った。
早くももう鍵をかけた扉が壊れてしまいそうだ