第4章 おべーんきょ!
「ねぇ。さーむら?」
急に止まった紅林。
澤「どした?」
「あたしがマネやってもいいの?」
澤「いいに決まってるだろ!やってくれたらすげー助かる!」
逆光のせいで表情はよく見えない。
「ぁ、、、あたしがやっても、迷惑にならない?」
絞り出したように発した言葉は、いつもの紅林らしくなくてなんだかむずむずする。
澤「迷惑なわけ、ないだろ?」
「そっか、、、。やるよ。マネージャー。」
澤「ほ、ほんとか「でも、」ん?」
「邪魔になったら、すぐに捨ててほしい。」
まるで何でもない紙くずを捨てるのと同じように
自分を捨ててくれと頼む。
澤「俺は、お前を邪魔だなんて思わないし、バレー部の奴らもそうだ。」
澤「誰もお前を捨てたりしない。」
「ん。ありがと。」
まだ、なんにもお前のことは分からないけど
ツライ時に拠り所くらいにはなってやりたい。
もう少し、君の近くに____
「え、と、どーした、さーむら。」
気づけば紅林の腕を掴んでいた。
澤「え?ッ!!あの、その、、、これはむ、無意識で!」
「っはは!慌てすぎ」
自然に笑う彼女を、初めて見た瞬間だった。