第4章 おべーんきょ!
澤「紅林。」
「んー?」
澤「連絡先。教えて?」
「いーよ。」
ピロリン♪ 《紅林 朱莉》
画面に表示される彼女の名前だけで、こんなにも幸せな気持ちになれる。
「あのさー、さーむら。」
澤「ん?」
「その、、、紅林ってさ、長いし、呼びづらいだろうからその、他の呼び方して?」
澤「そうだなー。じゃあ、朱莉。」
「うぁッ!!、うん。」
澤「うぁってなんだよー。」
「うっさい!いきなり呼ぶから!!」
澤「わるいわるい!じゃあさ、朱莉も、俺のことさーむらじゃなくて大地って呼んでくれな?」
「、、、だ、いち。」
澤「おう!」
「よろしく、だいち。」
澤「よろしくな、朱莉。」
名前ひとつで嬉しくなったり、
車のライトに照らされた二人の影が並んでいて一緒に帰ってるんだって実感したり、
小さなことがとても幸せに感じた。
「ここでいーよ。」
着いたのは、少し大きめのアパート。
澤「そうか。じゃ、また明日な」
「また明日。」