第19章 二人の始まり
ー朱莉ー
『朱莉、好きだ』
『ヘンな事言ってごめんな。』
苦しげに吐き出された言葉と泣きそうな顔
___これは昨日の、、、
『お前なんか___』
いやだ、、、ちがう
『お前なんかっ___』
やめて、、、だいちはこんな事言わない
『いなくな「べにっ!」
体を揺すられ目を覚ませば、焦った顔のちかが目の前に居た。
「ちか、、、?」
「お前、魘されてた。、、、また夢見たのか?」
ハァ、ハァと激しい運動をした後みたいに息切れがして、呼吸が浅くなる。
「ゆっくり、ゆっくりでいいから。ほら、吸って、、、吐いて、、、」
ちかの声に合わせて少しずつ呼吸を整えた。
「ん、良くなったな、、、、」
「お、こして、ごめん」
「気にすんなって」
子供をあやすように撫でられた
「まだ時間あるから寝ろ。な?」
「ちかも、、、ちかも一緒がいい、、、」
子供みたいな我が儘を何も言わず聞き入れ、あたしをベッドの奥に追いやると隣に寝転がった。
「俺はちゃんと居る。どこにも行かない。だから安心して寝ろ」
ギュッと抱き締められ、ちかの匂いに包まれればたちまち眠りに落ちる。
縁下力はあたしの精神安定剤だ。