第19章 二人の始まり
ー澤村ー
朱莉がいなくなって直ぐ、朱莉のケータイは縁下が持っていると分かり、学年ごとに手分けして会場を探す事にした。
あの目立つ赤い髪を目標に、人ごみを掻き分け、それらしい人を見つけては声を掛け、、、
それでも朱莉は見つからなかった。
澤「くそっ、、、」
菅「大地落ち着けよ。」
澤「すまん、、、」
時間が経つにつれて焦りが募って、冷静さが欠けていった。
そんな時だった。
岩「お、烏野の」
澤「いわ、いずみ、、、?」
青城の岩泉達と出会した。
岩「そう言や、さっきお前んとこのべにと会ったぞ。俺らもはぐれちまったんだけどな」
澤「本当かっ!!」
藁をも縋る勢いで掴みかかり、岩泉に尋ねた。
岩「お、俺らも探してんだけど見つかんなくて。及川も一緒な筈なんだ。電話も繋がんなくてよ」
澤「分かった。もう少し探してみる」
岩「あー、待て。分かったら連絡するから番号交換しとこうぜ。」
岩泉と連絡先を交換し、朱莉の捜索を再開した。
花「、、、いーのか、岩泉。電話なんかしてねぇべ。」
岩「あいつも言わなきゃなんねえ事あるっつってたし、偶には気ぃ遣ってやんねーとな。」
松「器用なくせに不器用だからなー俺らの主将は」
岩「だな。、、、居場所は分かってるからもう少ししたら澤村に電話してやるさ」