第4章 おべーんきょ!
「さーむらー。おーそーいー。」
澤「え、あ、俺!?」
「送るって言ったじゃんか」
澤「いや、俺でもいいけどってだけで」
「んじゃお前がいいから早くしろ」
澤「分かったから待ってろ!」
一緒に帰れる。
小さなことがすごく幸せだ。
澤「スガ。悪いけど部室の鍵任せてもいいか?」
菅「おー。頼まれたー」
澤「んじゃお疲れ」
残ってる部員何人かに声をかけ部室を出る。
「おそいよー。」
澤「これでも急いだんだけどな」
「いーや。帰んべ。」
澤「おう。」
「あ、ねぇさーむら。アイス食べたいから坂ノ下寄ろ」
澤「ん?構わんぞ」
今日もあちーねーなんて2個もボタンの開けられた制服をパタパタとするから紅林とそこそこ身長差のある俺は気が気でない。
健全な男子高校生をナメてるのか。
なんとか落ち着かせ聞いてみる。
澤「紅林さ、なんで制服のリボンつけないんだ?」
すると一瞬だけ、表情が曇った。
「キツイの嫌いなんだよねー。あとなんかペットっぽくない?」
すぐにヘラっとした表情になりそう言った。
けど俺は、直感的に違うと感じた。
それ以上聞くなオーラが酷くてもう聞けないけれど。