第18章 夏の終わり
縁「大地さん。」
問題児たちを一旦スガ達に任せたのか縁下が俺のところにやって来た。
澤「どうかしたのか?」
縁「少し話したいことがあって。」
この場に合わない少し真剣な雰囲気を感じ取ったのか朱莉は清水達の方にカランコロンと下駄を鳴らして走っていった。
澤「で、話ってなんだ?」
改めて訊ねればバレーの時と同じくらい真剣な目で見られた、と言うより睨まれたに近い。
縁「いつになったら言うつもりですか?」
何の脈絡も前触れもなく発せられた言葉だったけれど、何となく予想がついた。
澤「自信、ないんだ。」
困った顔でそう答えれば、縁下の眉間のシワは深くなった。
縁「アイツをあそこまで変えたのは大地さんです。俺じゃきっと出来なかった、、、。」
澤「縁下、、、?」
縁「だから自信持ってください。」
澤「分かった。今日、言うよ。」
縁「いい報告待ってますからね」
言ってどうなるかは朱莉と神様にしか分からないだろうけど、伝えなきゃ何も変わらないんだ。
決意した直後、向かい側からまとまった団体が俺達の横を通り過ぎていった。
朱莉を呼び戻そうと前を歩く集団を見れば、特徴的な赤い髪はどこにも見当たらない。
澤「スガ!朱莉前にいるか?」
菅「えっ、こっちには居ないけど、、、」
澤「ッ!!?」
俺達は、朱莉とはぐれてしまった。