第18章 夏の終わり
ー澤村ー
―5分前
澤「お前のせいだからな!ヒゲちょこ!」
東「だからゴメンて!」
悪態をつきながらも待ち合わせ場所に向かってあまり慣れないサンダルに浴衣というスタイルで走る俺達。
なんで走っているかと言うとデカイ図体したうちのヒゲちょこエースが浴衣の着付けが分からないとさんざん騒ぎまくったからだ。
結局のところお婆さんに着付けてもらったらしいけど。
菅「もうみんな来てるかな?」
澤「こうゆうイベント事が好きな奴らばっかりだからな。」
今頃惨事になってないか心配になるけれどそれより今は待ち合わせ場所に行く事が優先だ。
走りにくい浴衣で部活の時さながらに走った。
やっと見えた待ち合わせ場所には見慣れたメンツが固まってワイワイ話し込んでいた。
澤「遅れてスマン!」
少し大きめに声を掛ければみんな一斉に視線を向けてきた。見てみれば男共は全員揃っているらしい。
菅「あれ?マネージャー陣は?」
俺と同じことを思ったスガが訊ねれば「あぁ、それなら、、、」と田中の言葉の後、打ち合わせでもしていたかの様に綺麗に二手に分かれて真ん中に道が出来た。
道の先にいたのは谷地さん、清水、そして
澤「朱莉?」
存在を消すように端に寄って横を向く朱莉。
白地に赤やピンクの花が散りばめられている綺麗な浴衣。それに頭の上の方で丁寧に結われた赤い髪。
普段は化粧っ気など全く無いのにこうゆう時だからなのかほんのりとだけど化粧がほどこされている。
すごく、綺麗だ。