第18章 夏の終わり
しばらくしてやっちゃんと潔子がやって来た。
あたしの第一声は
「天使と女神かこのやろ。」
だよねうん。
潔子は紺色に綺麗な蝶が遇われていて、難しい言葉使うと優美って感じ。
一方のやっちゃんは淡いオレンジに大きな向日葵が咲いている。
自分に似合う色を心得てるって感じだね。
「二人とも良く似合ってる。綺麗だね。」
清「朱莉も似合ってる」
「お世辞とかいらないから。こんな可愛い柄あたしに合わないよ。」
谷「そ、そんな!凄くお似合いですよ!!」
「っはは、やっちゃんもお世辞ありがと。」
可愛く整えられた髪を崩さない様に優しくそっと頭を撫でた。
澤「遅れてスマン!」
その時大きな声が聞こえて、だいち、旭、スガがバレー部の輪の中に入って来たのか見えた。
菅「あれ?マネージャー陣は?」
スガ達のいる場所からは部員たちの死角になって見えないのか、あたし達のことを訊ねている。
田「あ、それなら、、、」
龍の言葉に合わせるように真っ二つに割れた部員達はなんだかニヤニヤしているようだ。
逃げ出したい気持ちでいっぱいだけどあいにく逃げ場がない。仕方が無いから横を向いて少しでも注意を逸らそうとするが、そうはさせて貰えなかった。
澤「朱莉?」
あの低くて優しい声で名前を呼ばれてしまったから。
チクリ
また胸の奥が少し痛んだ。