第18章 夏の終わり
結局半ば強引にカメラの前に立たされ、ちかと一緒に連写で撮られた。
「ちかパパしばらく口聞いてあげない、、、」
縁「それで許すお前も甘いよな」
「うっさいばーか。」
だって何だかんだちかパパの事好きなんだよ悪いか。
「ちか、お財布とケータイ持って」
縁「自分で持てよ。」
「やだ。巾着忘れた。」
縁「これで年上とかほんとやめて。」
あーあー聞こえないー。
縁「ほらいくぞ。」
「ん。」
文句を言いつつもちゃんと持ってくれるちかが、あたしは好きだ。
絶対に言ってやらないけど。
神社に近づく毎に段々人が増え、あたしに注がれる視線も多くなり、前を向くことすらできない。
縁「下向くな。ぶつかんぞ。」
まったく、ちかには隠し事ができないみたいだ。
雑に繋がれた手に引っ張られ、人と人の間をすり抜けていく。
こんな風に手を繋いだのはいつぶりだっけ?
手の平から伝わる温もりに、少しずつ緊張がほぐれていくのが分かった。