第18章 夏の終わり
ー澤村ー
自主練中、何やら西谷と日向がコソコソと話し合い、朱莉に近づいていった。
「「べにさん、べにさん!!」」
「んー?どしたの、夕、翔陽」
日「べにさんは花火大会浴衣ですか!!?」
俺も少し気になっていたことを聞いてくれた。心の中で2人を褒め称えた。
「んー、浴衣ねぇ、、、みんな浴衣ならそうするけど」
西「俺らも甚兵衛か浴衣にするんで是非浴衣でお願いシャス!!」
2人の必死の頼みに少し考え込んだ後朱莉は縁下に声をかけた。
「ちかー!あたしの浴衣ってあったっけー?」
縁「確か母方から貰ったのあったろ」
「覚えてなーい」
縁「ったく。今日は捜索だな」
「ふぁーい」
気の抜けた返事を返しつつも部員のマッサージをする手を休めないあたりは流石だと思った。
「旭さらに筋肉ついてきたねー!」
東「おーそうか?も少し頑張るかー」
仕事とは言えやっぱりムカムカするもんはするけどな。
清「澤村、顔怖い。」
澤「まじかっ」
清水に言われる程だったのかと地味にショックを受けた。
清「人殺しそう。」
澤「気をつけマス。」
清「そんなんだと朱莉に嫌われる。」
澤「え"っ!!」
嫉妬という名の黒い感情が、段々濃くなっていくような気がして吐き気すら覚えた。